2012年03月05日

「iPhoneやめました」に興味を持ちました


スマホが普及しているこの時代に、あえて普通の携帯(ガラケー)のみでiPhoneを解約した記事がありました。
私もdocomoの普通の携帯とiPhoneの2台持ちなので、興味を持ちました。



この冬、携帯電話を新しく買いました。今まではauのExilimケータイとiPhone 3Gを2台持ちしていたのですが、仕事用と私用を1台にまとめようと思い、メイン回線のiPhone 3Gを解約してNTTドコモへMNP(番号ポータビリティ)することに。

事前にソフトバンクでMNPの予約番号を取っておいてから、ドコモのカウンターへ。
ドコモの説明員は「え、iPhone解約するんですか」とちょっと驚いていたようでした。
その後私を見る目に「このお姉ちゃん、iPhoneを使いこなせなかったんだろうなあ、きっと」という哀れみが浮かんでいたように見えたのは、私の被害妄想でしょうか……。



【iPhoneやめました】

翌日出社して「iPhoneやめました」と話したら、ものすごく驚かれました。
アイティメディアはiPhoneユーザー率がものすごく高いのです。
「どうして? どうして?」といろいろな人に聞かれて苦笑。
確かに、iPhoneからiPhone 3GSへ買い換えたという話を聞くことは多くても、iPhoneをやめた人はあまり見かけませんものね。

iPhone 3Gは私がこれまでに使ったことのあるPDAやスマートフォンと比較しても優れた操作性でした。
以前ほかのスマートフォンで脱落した経験がある人も、iPhoneなら使えるでしょう。
それは自分でも使ってみて実感しています。

しかしこのiPhone 3Gは、もともと今年の1月にドコモ端末からMNPしたもの。
つまり私は1年間で、ドコモとソフトバンクの間で2回MNPしたことになります。
2回分のMNP手数料を払ってもなお、私がiPhoneをやめようと思った理由とは? 携帯電話を買い換えて約1カ月経った今、改めてそれを考えてみます。



【“iPhoneがなければ致命的なシーン”は一度もなかった】

iPhoneを解約した理由はいくつかあるのですが、その最大のものは「(普通の)携帯が使えないと致命的なシーンはあったが、iPhoneが使えなくて致命的なシーンはなかった」に尽きます。
また、アプリをインストールするたびに新しい使い方、楽しみ方ができるiPhoneは、おもちゃとしては最高に楽しかった。
でも、1年間を振り返って「この機能がないと立ちゆかない!」というシーンが一回もなかったのもまた事実です。

遊びでなく、仕事で使おうと考えたとき、iPhoneのいちばんのメリットは「PCでできるのと同じことを手のひらで実現できること」ではないでしょうか。
特に、電車の中で立っているときでも、PCに届いたメールをチェックして、急ぎならその場で返事ができる。
これは一般の携帯電話に比べて大きなアドバンテージです※。iPhoneをやめるにあたり、最後まで悩んだのはここでした。

※POP3/SMTPメールを送受信できる携帯電話も一部出てきていますが、制限が多く、会社のPCメールをそのまま読み書きするのはなかなか難しいのが現状です。

しかしこのメリットは逆から見れば、「iPhoneでできることは(基本的に)PCでもできる」ということになります。
私の場合、いつもノートPCを持ち歩いているので、必要ならデータ通信カードで通信するか、Bluetoothで接続した携帯からダイヤルアップすればいいということもあり、「携帯を1台しか使えないのなら、iPhoneではなく普通の携帯のほうが便利だ」という結論に達したのでした。

普通の携帯にできて、iPhoneにできないこととは? 以下、使っていて気付いたiPhoneのデメリットを5つ書こうと思います。


【片手でメールを打てないのはツライ】

iPhoneではフリック入力をマスターすると文字の入力スピードが格段に上がります。
私はいつも、左手でiPhoneを持ち、右手の人差し指で文字入力をしていました。つまり、両手を使わないと文字が入力できないのです。
男性のiPhoneユーザーに尋ねると「右手の薬指と小指で本体を支え、右手の親指を使えば片手で入力できる」というのですが、落としそうで、私には無理。

両手入力だと何が困るか? 私の場合は、「荷物が多いときは操作が大変」「歩きながらメールを打てない」の2つでした。
普通の携帯なら、片手で携帯を握り、キーを指で探りながらタッチタイプすれば、画面をちらちら見るだけで十分に文字入力ができますが、iPhoneはタッチパネルなので、視線を完全に画面に向けていないと入力できないのです。
そのため、入力するときは必ず立ち止まり、完全に意識をiPhoneに集中して文字を入力していました。

例えば急いで待ち合わせに向かっているとき。
「あと5分で着くから、待ってて!」とメールを送るのに、急いでいるのに立ち止まってる暇はありません。
黙って急ぐか、電話をかけるかどちらかです。
「普通の携帯ならメールを打ちながら急いで歩くことができるのに」――仕事の連絡を、電話や携帯メールで頻繁にする身には、これは大きな不満でした。


【ナビ機能の精度、スピード】

2つめがナビ機能の使い勝手。
私は極度の方向音痴で、仕事でも遊びでも、携帯のナビ機能が手放せません。
iPhone 3GのGoogle Maps+GPSももちろん試したのですが、機能面でも精度の面でも、とても実用になるレベルとは言い難かったです(方向感覚がいい人ならこれで十分なのかもしれないですが……)。
最新モデルのiPhone 3GSは電子コンパスが入っていますが、私が使っていたiPhone 3Gには電子コンパスが入っていないため、自分がどちらを向いて歩いているのか分からない。
特に急いでいるときにはiPhoneのナビ機能を使うことはありませんでした。

ナビ機能ではもう1つ、毎日電車やバスに乗って首都圏を移動している私にとって、公共交通情報を徹底的に網羅している「EZナビウォーク」(NAVITIMEがau携帯向けに提供しているナビサービス)より便利なサービスは、今のiPhone向けアプリにはない、という事情もありました。

余裕があるときはいいのですが、ないときほど携帯の情報検索に頼るもの。
いくつかのルートをリストアップし、そのうちどれが何分早く着くか、乗換回数や歩く距離が少なくて済むのはどれか、といったきめ細かい条件に応じたルートを、しかもそのときの運行状況と照らし合わせた上で提示してくれるEZナビウォークの賢さに、これまで何度も助けられてきたのです。

例えば飲み会のあと、終電間際に帰れる方法を急いで検索する、といった場合。
iPhoneユーザーの同僚とEZナビウォークを使う私で一緒に検索を始めると、たいてい私のほうが素早くルートを出せるのです。
このほかにも「店の名前で検索」「住所を入れて検索」「半径XXメートル以内にある近所のXXを探す(コンビニ、ATM、駅、郵便局など)」など、EZナビウォークに頼りっぱなしだった私。
当たり前にしていたことがiPhoneでできずに困る度に「EZナビウォークってやっぱり凄いわ……」と改めて痛感していました。

現在はドコモの携帯でNAVITIMEを使っています。
au版であるEZナビウォークとちょっとした違いはありますが、機能や精度はほぼ同等。
PC版NAVITIMEとの連携もしやすいので、PCで行き先までのルートを検索しておき、会社を出たらその検索結果の通り、携帯版NAVITIMEでナビをしてもらう――といった使い方をしています。


【おサイフケータイはどうするの?】

3つめの理由は「iPhoneではおサイフケータイを使えない」です。
これはiPhone 3Gの発売前から言われていたことですし、またこの話をすると必ず「カードが入れられるケースを買って、オートチャージ対応のSuicaを入れればいいじゃないか」と反論されるのですが、おサイフケータイのヘビーユーザーにとっては「それは解決策になっていない」のです。

おサイフケータイのライトユーザーにとって、おサイフケータイとは「携帯でお金が払える」「携帯で電車に乗れる」だけのサービスだと思います。
確かにその使い方なら、オートチャージ対応のカードを携帯に貼り付けておけば事足りるでしょう。

しかし、カードタイプのFeliCaと、おサイフケータイのFeliCaの最大の違いとは「通信手段があること」「液晶画面があること」「ユーザーが操作できること」「複数のアプリをインストールして使い分けられること」にあります。

おサイフケータイを使い続けると気付きますが、残金が足りなくなる前に登録しておいたクレジットカードからチャージをしたり、サーバに問い合わせて自分のポイントやマイルを確認できるのは、携帯には通信手段と画面があり、ユーザーが自分で操作できるから。
これに慣れてしまうと、カードにはなかなか戻れません。
また最近のコンビニでは複数の電子マネーサービスに対応していることもあり、ユーザーが能動的に使いたい電子マネーを使い分ける必要がでてきています。
複数のアプリをおサイフケータイにインストールできるからこそ、目的によって必要なサービスを使い分けられるのです。

FeliCaを使ったサービスは、電子マネー系以外にも新しいモノがいろいろ登場しています。
例えば、店舗のレジ横にあるリーダー/ライターにかざすとお得なクーポンがもらえたり、会員証アプリをインストールしておけば安く飲食店を利用できたり、といったサービスは、カードではできないことです。
FeliCaを使った複数のサービスを使い分けたいと思う私にとって、「おサイフケータイをやめる」という選択はありえなかった。
これも大きな理由でした。



【Flashサイトが見られないとどう困る?】

もう1つ、iPhoneをやめたあとに気がついたポイントがあります。

iPhoneにはWebブラウザの「Safari」が搭載されているため「携帯用のWebサイトをわざわざ見なくても、好きなだけPC用サイトを見ればいい」というのは、以前からよく言われていたことでした。

しかし、iPhoneのSafariは万能ではありません。
Flashに対応していないため、実は「閲覧できないサイト」がいろいろあるのです。
トップページをFlashにしているPC用サイトはたくさんありますし、さらに困るのが携帯用サイト。

携帯電話は画面の解像度がまちまちなこともあり、携帯用サイトでFlashを多用しているコンテンツはたくさんあります。
最近だと、mixiやGREE、モバゲーなどSNSが提供している携帯向けアプリ(ゲームが中心)はほぼすべてFlashです。
そのためこれらの携帯向けゲームは、iPhoneで遊ぶことはできません。

mixiを例に挙げると、最近の傾向として、これまでの中心だった日記やコミュニティベースのやりとりではなく、携帯向けゲームアプリやmixiボイス(mixiが提供するTwitterに似たサービス)といった機能によるコミュニケーションが増えている流れがあります。
「サンシャイン牧場」や「まちつく!」といった人気ゲームには、プレーヤー同士でメッセージをやりとりする機能があり、ゲームを軸にしたマイミク同士の交流が活発になっています。
また、メッセージを書けないゲームの連絡事項や攻略法などをmixiボイスに書き込むパターンも増えています。

iPhoneユーザーがmixiを閲覧する場合、多くの人はSafariではなく専用のアプリケーションを使います。
mixiを閲覧するためのiPhone向けアプリは複数ありますが、いずれもmixiボイスに対応していないため(12月24日現在)、従来通り日記やコミュニティを中心にmixiにアクセスするiPhoneユーザーは、mixiアプリやmixiボイスでの盛り上がりが見えない、気付かない、ということが起きています。

mixiアプリやmixiボイスによる交流は、(1)短いメッセージのやりとりで、しかも(2)リアルタイム性が高い(話題に乗り遅れると面白みが半減する)という点でTwitterに似ています。
iPhoneでTwitterにハマっている人は、その感覚に近いと考えると理解できると思います。

私の身の回りを見ていると、携帯ユーザーはmixiアプリやmixiボイスで濃いネットワークを作り、逆にiPhoneユーザーはTwitterにのめり込む、という傾向があるようです。
SNSのゲームはやらないし、そこでできる人間関係にも興味はない、という人は問題ないですが、携帯電話でないとアクセスできないコンテンツが面白い、そこでの人間関係が大切、という人には、iPhoneはおすすめしにくいものがあります。



【キーボードがないデバイスは……】

そして最後、5つめの理由。これは私だけかもしれませんが、「物理的なキーボードがないデバイスは、触っていて楽しさ半減」という事情もあったりします。
これは理屈じゃなく、完全に性向の問題ですが、どんなにソフトウェアキーボードの精度が上がっても、フリック入力に慣れても、キーをプチプチ押す楽しさにはかなわないんですよね……(私の場合)。
この話をiPhone LOVEなBiz.IDの鷹木編集長にしたところ、「やっぱり吉岡さんはポメラの人なんだね……」とため息混じりにあきれられてしまったのでした。



【“カメラ付きiPod touch”になったiPhone】

1ページ目に書いた通り、本コラムはもともとメルマガに書いたもので、その後松尾さんがブログに取り上げてくれました(参照記事)。
ブログへの反応はいろいろだったのですが、ちょっとびっくりしたのは「『iPhoneやめました」であっさりやめれる(コメントママ)人なんて、そもそもiPhoneを何も使いこなしてない人なんですよ。
その持ち歩いてるPCだってろくなもんじゃないでしょう。
そして『iPhoneやめました』と公に表明する時点で知れてる人間性です」というコメントがあったことでした。

現在、SIMカードを抜いたiPhoneは、「写真が撮れるiPod touch」として引き続き愛用中。
iPhoneでもっとも気に入っていたポイントの1つが、カメラ関連のアプリが充実していたこと、そしてiPod touchを欲しいと思わなかった理由が「カメラがないこと」だった私。
3Gネットワークにはつながらなくても、家や会社では無線LANにはつないでいるので、撮った写真をメールで送信したり、Twitterを見たりといった使い勝手はこれまで通りです。

iPhoneユーザーはよく「iPhoneを手放す生活なんて考えられない」「iPhoneがなかったころどうしていたのか思い出せない」と言います。
しかし私がiPhoneをやめて不便になったことといえば、外でメールチェックができなくなったことくらい。
Twitterのモバイル版を使うようになったらiPhoneを使っていたころよりチェックする頻度は大幅に下がったとか、「TRAVATER」「セカイカメラ」といった位置情報を使うアプリで遊べなくなった、といった細かい変化はありましたが、iPhoneがカメラ付きiPod touchに変わっても、私は普通の携帯を使って以前と大して変わらない日常を過ごしています。

どんな携帯にもメリットとデメリットがあり、ユーザーが重視することや使う目的、リテラシーの差によって、自分に合う端末を選ぶのは当然のこと。
例えば私が富士通の携帯をやめてカシオの携帯に戻ったとしても、「富士通の携帯の良さが分からないなんて、そもそも富士通の端末を使いこなせていない人ですよ」といった反応は、まずないでしょう。
それは、携帯電話が誰にでも使えるものとしてコモディティ(日用品)化しているからです。

最近では女性のユーザーをよく見かけますし、「iPhoneはキャズムを越えた」と言われることも増えています。
しかし、iPhoneを買ったものの使いにくいと文句を言う人に対し、ヘビーユーザーが「どういうものか調べないで買うのが悪い」「iPhoneを使いこなせていないから不便に感じるのだ」といった言葉を投げかけるシーンを、いまだによく目にするのも事実。
こういうやりとりがあること自体、やはりiPhoneはまだまだ普及したとは言えないという証拠なのではないか……iPhoneを1年近く使い、そしてやめた今、私はそう思っています。




なるほど。
私はメインでdocomoのガラケーを使っていて、iPhoneはサブです。
サイトを見るのも、機能もガラケーが使いやすくて解約出来ずにいますが、スマホも慣れなんでしょうね…




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posted by グローバルコミュニケーションインク at 11:42| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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