mmbiの二木治成社長が、Mobile IT Asiaの基調講演で携帯端末向けマルチメディア放送「モバキャス」と、その放送局である「NOTTV」の取り組みについて説明した。
mmbiのもともとの社名は「マルチメディア放送」。
地上波アナログテレビ放送が停波後に空く「V-High」と呼ばれる周波数帯域の一部を利用するマルチメディア放送を企画する会社として、2009年1月に設立された。
同社は翌2月からドコモの子会社となり、地上波デジタルテレビ放送で使われている「ISDB-T」方式を拡張し、蓄積型放送機能などを追加した「ISDB-Tmm」方式(モバキャス)での放送を目指した。
同じ帯域を利用するマルチメディア放送としては、KDDIが主導し、Qualcommの「MediaFLO」規格の採用を目指した「メディアフロージャパン企画」も存在し、唯一の帯域枠を巡って競合していた。
審査の結果、2010年9月にmmbiが総務省から「基幹放送局提供事業者」としての認定を受けた。
2011年1月には、新たに設立した完全子会社の「ジャパン・モバイルキャスティング」に同免許を譲渡、同社は現行の「mmbi」に社名を変更した。
同年9月にコンテンツを提供する「認定基幹放送事業者」(ソフト事業者)として免許申請を行い、翌10月に認定を受け、現在に至っている。
なぜ、mmbiが番組放映から送信まですべてを一貫する従来の地上波テレビ放送のようなモデルにならなかったのか。
それは、V-Highマルチメディア放送では、多様な放送事業者が参入しやすいように“ハード”(基幹放送局提供事業)と“ソフト”(認定基幹放送事業)の分離を求められたためである。
衛星放送(BSやCS)と同様のモデルだ。
「通信」でやってきたことを「放送」でも実現
モバキャスでは、電波を33セグメント(区画)に分割している。
そのうち、mmbiは“大規模枠”として13セグメントの割り当てを受けてNOTTVの番組を提供することとなる。
NOTTVでは、モバキャスの特性を生かし、従来のテレビ放送に相当する「リアルタイム放送」だけではなく、放送データを受信端末に保存して後から楽しむ「蓄積型放送」を実施する。
「『放送』という手段を生かし、『通信』によって行われてきたマルチメディアデータの配信が可能となる。
ビデオや音楽に留まらず、電子書籍や電子新聞なども配信できる」と、二木氏は単純に番組を後から見る、というスタイルに留まらない使い方を紹介した。
「よく『(モバキャスは)ワンセグと何が違うんですか?』と聞かれるが、画質が違う」(二木氏)と言うように、モバキャスはワンセグよりも高画質な映像が特徴だ。
NOTTVで、3セグメント利用するリアルタイム型放送では、720×480ピクセル・30フレーム/秒と、「DVDをパソコンで楽しむ感じ」(二木氏)と同様だ。
スマートフォンなどモバイル機器では十分と言える解像度だ。
蓄積型放送では、さらに高画質化もでき、最大で1920×1080ピクセル・60フレーム/秒のいわゆる“フルHD”の動画も楽しめる。
NOTTVは「テレビを超える」モバイル・スマートテレビ
放送局の「NOTTV」にはどんな意味が込められているのだろうか。
二木氏は「NOTTVはよく“NOT TV”(テレビではない)という意味で呼ばれてしまうが、そうではない。『テレビとは違う、(テレビを)超えるテレビ』、あるいは『今までテレビでできなかったことを実現するテレビ』という意味を込めている」と語る。
昨今、インターネットで番組を取得したり、双方向機能を使えたりする「スマートテレビ」が話題となることも多い。
その点を踏まえ、「NOTTV対応機器は最初から(通信機能を内蔵した)『モバイル・スマートテレビ』である」(二木氏)とした。その軸として、リアルタイム放送、蓄積型放送、通信の3つのつながりを挙げた。
リアルタイム放送と通信が融合することで、「ソーシャルメディア連携」や「インタラクティブ連携」が可能になる。
前者は放送中にTwitterやFacebookへの投稿を可能にすることで、その場で同時に見ている視聴者間のコミュニティ形成を促すものだ。
後者は、番組の進行に合わせてユーザーが操作することで、その結果が直ちに番組に反映されるもので、例としてオークション番組が紹介されていた。
また、リアルタイム型放送と蓄積型放送との連携も想定している。
例えば、リアルタイム型放送中に操作をすることで、蓄積型放送で配信されている関連データ・コンテンツを取得し、放送終了後にそれを楽しむ、といった使い方ができる。
さらなる「蓄積型放送」の活用
蓄積型放送では、より具体的な想定利用シーンも紹介された。番組中で紹介したお店のクーポンやアプリ、電子書籍など、従来は通信をして取得していたものを、放送波を使ってプッシュ配信できる。
それによって、放送が終わったらすぐに楽しむという、従来にはないサービスも利用できる。
将来的には、輻輳を気にせず一斉配信できるという放送の利点を活用し、デジタルサイネージを含めた広告配信手段としての利用も検討しているとのこと。
また、将来的にはモバイル機器との親和性の高いカーナビゲーションでの蓄積型放送活用も視野に入れている。
「カーナビそのものにモバキャスチューナーや通信モジュールを内蔵する方法、モバキャスを受信できるスマートフォンとBluetoothやWi-Fiなどで通信して連携する方法など」(二木氏)が検討されている。
比較的大容量で、データの入れ替えが大変なカーナビの地図情報を自動的に放送波を使って更新することや、走行中の現在地周辺の情報をプッシュ配信し、ナビゲーションに反映させることが想定される。
ソフトバンクからもモバキャス対応機が登場予定
放送エリアに関しては、4月1日の本放送開始時には、南関東、愛知、三重、大阪、京都、兵庫、滋賀、奈良、福岡、沖縄の各地域の一部で受信が可能となる。
南関東では、地上波デジタル放送に先立って「東京スカイツリー」から電波が送出されることから、従来のワンセグよりも受信範囲が広くなる見通しだ。
受信対応デバイスについては、mmbiの筆頭株主でもあるNTTドコモが、すでに発表した2機種(「AQUOS PHONE SH-06D」と「MEDIAS TAB N-06D」)を含め、2012年度上期までにスマートフォンとタブレット7機種を投入することを発表している。
今後、規格への支持を表明していたソフトバンクモバイルからも、モバキャス対応スマートフォンが発売される予定だ。
MediaFLO規格を推していたKDDIからの端末投入に関して、二木氏は公演後に「(モバキャス自体は)オープンな規格。
ぜひとも投入をご検討いただきたい」と述べていた。
さらに、利用する先述のカーナビに留まらず、モバキャスチューナーを内蔵したWi-Fiルーターやモバイルデバイスを普及させ、できるだけ早期に受信可能デバイス5000万台を達成を目指すとしている。
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